定番商品のリブランディングにセッサのサービスを活用(株式会社グリーンハウスフーズ様)

~グリーンハウスフーズ(とんかつ新宿さぼてん)執行役員・成尾広光さんインタビュー

· 企業インタビュー

「とんかつ新宿さぼてん」をはじめ、レストランやデリカテッセンなどのブランドを展開するグリーンハウスフーズグループ。コロナ禍で外食産業全体が苦境に立たされる中、ロースかつ やヒレかつなどの定番商品をブラッシュアップし、デリカ業態を中心に足もとを固めたいと考えていました。

「謹製」というテーマのもと、セッサとミーティングを重ねながらツール類を作り上げた結果、定番商品に込めた思いがこれまで以上にお客様へ伝わり、売り上げ比率も向上しました。

 

創業55年の老舗とんかつブランド。節目の商品開発を一気通貫でサポート

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 1966(昭和41)年に一号店をオープンし、現在ではとんかつ専門店のトップブランドとして海外にも多くのファンを持つ「とんかつ新宿さぼてん」をはじめ、グリーンハウスフーズグループは、レストランやデリカテッセンなど18のブランドを展開しています。セッサでは10年ほど前から、「さぼてん」のブランディングやプロモーション、販促ツールやパッケージデザインなどのお手伝いしています。

今回お話をうかがうのは、グリーンハウスフーズグループの傘下、株式会社ジー・エイチ・エフ・マネジメントで執行役員・新業態商品マーケティング部 部長 をつとめる成尾広光さん。既存のさぼてん事業のほか、ヘルシーなとんかつが食べられる店舗など、新たなブランドの開発も担当しています。

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「私が現在の役職についてから、セッサとの仕事で最初に印象に残っているのは5年ほど前、さぼてん50周年の商品開発をしたときのことですね」と成尾さんは振り返ります。創業から50年という大切な節目に、「奇をてらうよりも、さぼてんの歴史を感じさせる商品を開発したい」と考えていたという成尾さん。企画を練るうち、1974(昭和49)年当時の手書きレシピを持っている人が社内にいることがわかったといいます。

「金洋丸(きんようまる)」と名付けられたその商品は、ヒレとロースを一緒に食べられる棒状の巻きかつ。中には2種類の濃厚なチーズが入っています。「金洋丸」という聞き慣れない名前は、もともと多肉植物のサボテンの品種の名前だそう。

「さぼてんという店名は、創業者が、砂漠で生き抜くサボテンの姿を目にして、どんな環境に置かれてもたくましく生き、成長できるようにという願いを込めてつけたものなんです」(成尾さん)

創業時の思いがこもった金洋丸こそ50周年にふさわしいと、当時のレシピを元に開発を進める中で、成尾さんはセッサにご相談。当社からは50周年を盛り上げる商品クリエイティブをご提案して、マーケティングをサポートしました。 

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「セッサ との打ち合わせはなかなかハードで、毎回やりごたえがありますね」と成尾さんは笑います。

「『こんな感じで作っておいてください』『はい、わかりました』で終わることは絶対にないです。企画を立てるときには、私たちも社内でコンセプトやお客様に伝えたい思いなど、しっかりと検討します。その上で打ち合わせにのぞむのですが、セッサ の担当者は一つひとつ『それはこういうことですか?』『もっとこうした方がいいのでは?』と突っ込んできます。ミーティングを重ねるほど、血が通った企画になっていくことを感じますね。企画からクリエイティブ、実際の店舗への展開まで、一気通貫してサポートしてくれるのがセッサの最大の特徴だと思います」

そうしたやりとりを経てデビューした金洋丸は、さぼてんの定番商品よりも少し価格が高かったにもかかわらず、お客様にも好評でした。とんかつ新宿さぼてんに、新たな価値が生まれるきっかけになったそうです。

 

 徹底したお客様目線、現場目線でブランディングを支援

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ここ数年、とんかつ業界では新規参入が相次ぐなど 、一時は「とんかつ戦争」と言われるような状況もありました。そんな中でもさぼてんが大切にしていたのは、創業以来守ってきた素材や調理法、手作りへのこだわり。デリカテッセンで販売する定番のとんかつも、半調理済みの冷凍品をお店で揚げるのではなく、1点ずつ、キッチンでパン粉をつけて揚げたてを提供しています。

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大で外食産業全体が苦しい環境に置かれることとなりました。グリーンハウスフーズでは、人が密集する駅ビルや百貨店のレストランだけではなく、商店街にあるデリカ店舗など、業態や立地もさまざまな店舗展開を行っていたため、大きな打撃は免れることができたといいます。それでも、やはりコロナ禍の影響で、食にまつわるビジネス全体が過渡期を迎えていることは事実です。

「さぼてんとしても、ロースかつやヒレかつなど、自信を持って提供できる定番商品をブラッシュアップし、今、お客様から必要とされているデリカ業態を中心に足もとを固めていきたいという強い思いを抱くようになりました」(成尾さん)

さぼてんの思いを受けて、セッサからは「創業から受け継がれてきた価値ある商品を差別化するため、堂々としたトーンのデザインでブランディングする」戦略をご提案。1年以上の熟成期間を経て、「謹製」というキーワードでブランディングをお手伝いすることになりました。50周年では華やかな新商品で話題をさらいましたが、今回はあえて原点に返り、心を込めて1点1点、丁寧に作っていることを伝える販促ツール全体を、セッサにご依頼いただいたのです。

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「初期の段階で、セッサは必ず複数のパターンを提案してくれるんです。商品訴求型、利用動機型、クラシックなデザインなど、比較して選ぶことができるのは嬉しいですよね。他社と比べて提案に幅があるので、その点は助かっています」と成尾さん。

「セッサらしいなと思ったのは、実際の現場を見て、お客様に共感するために、私と一緒にオープン前の店舗を回ってくれたことです。例えば商品を購入している高齢のお客様の目線で『もう少し文字を大きくした方がいいですね』などとその場で具体的な提案もしてくれます。スタッフに『どちらのデザインが見やすいですか?』と質問するなど、現場を巻き込み、お客様目線に立とうとする姿勢があったから、いいものが作れたのではないでしょうか」 

「謹製」というテーマで作り上げたデザインにより、定番商品に込めた思いがこれまで以上にお客様へ伝わり、売り上げ比率も向上したそうです。

「売り上げもさることながら、スタッフにとっても、自分たちの商品に自信を持ち、背すじを伸ばして良いものを提供し続けていこうという意識づけになったと感じています。セッサのサポートは大きかったですね」と成尾さんは語ります。

 

 女性ならではのお客様目線で、デザインやスタイリングを提案 

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セッサの営業やプランナーは、全員女性。「家庭を持っている方も多く、主婦目線、私たちからするとお客様目線で意見を言ってくれるので、新しい気づきは何度もいただいています」と成尾さん。

販促ツールを作るときには、成尾さん自身が写真撮影をディレクションすることもあるそうです。「私は商品をかっこよく撮るのが得意なんですが、セッサのプランナーは作り手目線で商品を美味しそうに見せるだけではなく、お客様がどういう空間で召し上がるかというところまで考えて、セッティングをしてくれます」

例えば先に紹介した定番商品の企画の際には、デリカの店舗で購入したとんかつを、お客様が家庭の夕食で召し上がるというシチュエーションをイメージ。テーブルにメイン料理としてとんかつを置き、小鉢や皿を並べて、あたたかい雰囲気を感じてもらえるよう工夫しました。

「私自身ではまず思いつかない発想ですし、非常にうまいなと思いましたね。打ち合わせの段階で、企画のコンセプトや目的、私たちがお客様に伝えたいことを共有できているので、細かい指示をしなくても、理想に近いスタイリングをしてくれるのはすごく助かっています」

 

共感しているからこそ、自社ブランドのように本気で向き合う

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 グリーンハウスフーズは来年、創業55周年を迎えます。今後は、どんなことを目指していくのでしょうか。

 「これまでさぼてんを愛してくれたお客様、先輩たちが築いてきた歴史を大切にしつつ、次の世代に喜ばれる、新たな業態を磨いていきたいですね。コロナ禍を経て、食べるもの、食べる時間、食べる場所など、食のあり方は大きく変わりました。私たちも、お客様の待ち時間を少しでも短くする工夫をしたり、お店での手作りを基本としながらレトルトや冷凍の商品開発も行ったりと、さまざまな模索を続けています」と成尾さんは言います。

 「セッサのプランナーや営業は、決して耳ざわりのいいことだけを言うわけではありません。『あの店で、ちょっと気になることがありました』『さぼてんブランドはそうあるべきじゃないと思います』なんて言われることもあります。でも、それは実際に店舗を利用し、ブランドに共感しているからこそ気づくことだと思うんです。他社のブランドにそこまで前のめりになって、まるで自社のブランドのように、両足を突っ込むようにしてかかわってくれるパートナーって、なかなかいませんよね(笑)過渡期だからこそ、そういうパートナーを大切にしながら、次の半世紀もサボテンのようにたくましく成長していきたいと思っています」

 ブランド名に込めた想いを体現するように、逆境の中でもしっかりと大地に根を張り、お客様に喜ばれる価値を創造し続けるグリーンハウスフーズ。次の半世紀にどんな花がひらくのか、セッサはこれからもその挑戦に寄り添っていきたいと考えています。

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<ポイント>

・企画からクリエイティブ、実際の店舗への展開まで、一気通貫のサポート。

・内容の濃いミーティングでコンセプトを共有。細かい指示をしなくても理想通りのアウトプットができる。

・女性ならではのお客様目線、現場主義できめ細かいご提案。

※本インタビューは2021年11月に実施したものです。

 

 

<会社概要>

株式会社グリーンハウスフーズ(グリーンハウスフーズグループ)

創業:1966(昭和41)年

事業内容:レストラン事業/デリカテッセン事業/外販事業/海外 (レストラン) 事業